Koya Obruk コンヤオブリュクアンティーク

オブリュク（オブルク）の伝統的なデザインのオールドキリムです。
礼拝用マットで知られるオブリュクのキリム。そのデザインは、ミフラーブ文様の両肩に生命の木が描かれ、幾重かのボーダーに囲まれたもの。
こちらもその典型的なデザインですが、卓越した織りの素晴らしさは他のものとは一線を画する一枚です。
フリーハンドで描かれていながら、製図したように正確な模様織りの技術。その整然とした平面は額に入った絵のようであり、絨毯の模様のようでもあります。折り目正しく、四隅のそろった美しさは、織り手の腕だけでなく、気質と、祈りへの敬虔なる思いが反映されたものです。
整然とした織りに対して、静かで落ち着いた、沈黙を色で表現したような、それでいて人間らしい温かな色彩。元の染め色が、年月によって何かが取り除かれ、また年月との重なりによって何かが深まり、シックで美しい現在の色合いになりました。
黒とグレーの地織りに、同じくシックでありながら色とりどりの文様がよい具合に納まったボーダー。フィールドとの境目とミフラーブの屋根の白が、何かをきっぱりと分けるようなよきコントラストを作り、ちょうどホワイトカラーのような、きりりと引き締める役目を果たしています。どこか温みのある赤茶の描くグラデーション、草の匂いがしてきそうな干し草色のようなベージュ、スモーキーな青。さっと目を引くような鮮やかな色合いは一つも使われていません。しかし全体のこの色彩の美しさはなんでしょうか。
床に置く絵画のような一枚。空間をシックに演出することはもちろん、いつまでも眺めて楽しむことができる素晴らしいピースです。