Menu
Your Cart

キリムの織り方

 

 

キリムの織りの基本は、「平織り(つづれ織り)」です。
平織りは、横糸で縦糸を覆うため、表面に見える糸は主に横糸で、これがキリムのひとつの大きな特徴でもあります。
長い歴史の中で、単純な平織りだけでなく、横糸のかけ方にも様々な技法が生まれ、より繊細で複雑な模様を
表現できるようになりました。
いくつかの代表的な織り方をご紹介します。

 

‐平織り(つづれ織り)
キリムの織り方の基本。
横糸を、縦糸に交互に通す織り方で、縦糸に対して上下の横糸は交差させ、しっかりと詰めていく方法。交互に通した横糸を、上からぎゅっと押しつけるので、横糸が表面に出て、縦糸は完全に隠れる。
織り目のぎゅっと詰まった、表も裏も同じ平らな布の様な仕上がりに。

‐均等平織り
縦糸に横糸をやわらかく入れていく平織りの技法。
通常の平織よりもゆるく織られるので、縦糸と横糸、両方が表面に出ることが、平織りとの大きな違い。
ジジム織り等の地織り部分によく使われる。

‐スリット織り
色を変えるときに使われる技法。
横糸は同一色を左右に行き来させて縦に織り進め、色の境目は端を縦糸に巻き込む。
同様に、別色は次の縦糸に入れていく為、縦に隙間のような切れ目(スリット)ができる。
模様の境をくっきり見せる効果もある。

‐曲線織り
スリット織りの技法に、縦糸の一部にだけ短い横糸を追加して織り込むと、本来の横糸は
その糸を囲む様にしてカーブし、曲線になる。
花や葉、波模様など複雑なパターンを表現するのによく使われる。

‐重ねつなぎ織り
色の境目にスリットをつくらない技法。色の境目で、両方の色の横糸どうしを重ねて、
接合させる様に織る。
裏側で糸が重なるので畝ができる。
スリットはないが、表裏がわかる織り地になる。

 ‐つなぎ織り
こちらも色の境目にスリットを作らない技法。
色の境目の同じ縦糸に、両方の横糸を1~2段ごとに交互に絡ませてゆく。
色のつなぎ目をより繊細に仕上げる事ができる。
イランキリムの花柄、ヘラティやボテなど、細かく複雑な模様によく使われる。

‐ジジム織り
平織りや均等平織りの地織りに、異なる色の糸を追加し、縦糸にからませて模様をつくる。
追加の横糸は、地の横糸より太い糸が使われることが多く、刺繍の様に模様が浮き上がって見える。

‐ズィリ織り
ジジム織りと同様、平織りの地織りに、追加の横糸を入れながら織っていく技法。
追加の横糸は、縦糸を3-5本飛ばして、浮き上がるように入れていく。
水平だけでなく、斜め、階段状など、様々な模様が可能。

‐スマック織り
平織りの地織りに、新たな横糸で縦糸1-2本を表から裏へと巻いていく技法。
より丈夫なキリムに仕上がる。
コーカサス地方で多く見られる技法。

‐逆巻きスマック織り
スマック織りの裏になる部分を表に出す織り方。
新たな横糸で縦糸1-2本を裏から表へと巻いていく。
織り目が粒々に見えるので、ビーズ織りとも呼ばれる。

 

‐交互スマック織り
逆巻きスマック織りと同様に、横糸で縦糸1-2本を裏から表へと巻いていくが、
縦糸を取る際、地織りの横糸を上下に一本はさむ形で上下にずらして取る。

 

‐ジャジム織り
縦糸に何色かの色糸を張り、横糸は1色で織る技法。
縦糸の色が表面に出るので、キリムの上下に対して縦向きの縞模様になる。
15-30cmの細幅のものを長く織り、何枚にも切って幅をつなぎ合わせてつかう。