Medium Size ワンルーム

この絨毯の情報源は、書籍『Die orientalischen Knüpfteppiche das MAK』、アンジェラ・フェルカー、ウィーン: ベルハウ、2001年: 42–5 です。この中央の星がデザインされた絨毯は、エジプトのカイロにあるマムルーク朝のスルタンによって16世紀初頭に作られました。ウィーンの応用美術博物館（MAK）で展示されています。その印象的なサイズ、素材、デザインの品質から判断すると、この絨毯は熟練した宮廷工房の製品であり、おそらく最後のマムルーク朝の後期に作られたものです。使用されている色の多さから、制作時期は1500年頃と推測されます。葉のつると特徴的な傘の葉を持つ..

ヤージベディルのオールド絨毯です。品番　：C28083 サイズ：151cm x 217cm 産　地：トルコ 年　代：オールド 素　材：ウール x ウール..

これは二つのメダリオンのカギズマン・カザク絨毯で、コーカサスのカザク族によって伝統的に織られていた絨毯の一種です。トルコの北東部、アルメニアとの国境に近いカギズマン地域が発祥地です。カギズマン・カザク絨毯は、コーカサス地域のさまざまな絨毯スタイルを包括する広いカテゴリーに属しています。大胆で幾何学的なデザイン、鮮やかな色彩、高品質な職人技術で知られています。カギズマン・カザク絨毯のデザインは通常、星、ダイヤモンド、ラッチフックのパターンなど、複雑な幾何学的なモチーフを中央に大きなメダリオンを囲んで特徴としています。これらのモチーフは、深い赤、青、緑、黄などの豊かな対比色で描かれることが多いです..

東洋的な美しさをもつ、非常に精巧な織り模様のニューキリム。 錦のようなその見事な織りは、いつまでもたっても見飽きることはありません。 東洋と西洋の融合地点でもあるアナトリアだからこそ生まれるキリムのデザインのバリエーションはほんとうに興味深いものです。 ウールの質も高く、この上なくしっかりとした糸の撚り。 薄くしなやかながら強靭な織り地、新しいキリムにありがちなギラついた印象や軽さは全くなく、 アンティークのキリムにも引けをとらない草木染の美しさです。 時を経ればいずれすばらしいオールドやアンティークキリムへ育って行くことのできる品質。 新しいキリムをお手元で育てていく最高の楽し..

東欧、ブルガリアでよく見られるクロスステッチのような、花模様のベッサラビアキリムです。落ち着いたコクのあるミルク色のボーダーに、ミルクチョコレートのようなフィールドのブラウン。かわいらしさとともにほっこりとしたぬくもりのある優しい色使いです。植物のデザインは、アナトリアのものよりもより写実的になり、またちがったキリムの魅力をみせてくれます。花の赤色は深くオレンジ味を帯びてフィールドのブラウンとの相性もよく、枝や小花を彩る色たちも少しグレイッシュなペールトーンでコントラストはありながらも全体に角のない柔和な色合いです。少女のような微笑ましさもある東欧ヴィンテージな一枚です。..

Adana Kilim 中央アナトリア、オブリュクのオールドキリムです。 オブリュクのキリムは、礼拝用のミフラーブ模様が特徴的で、こちらもそのひとつです。 イスラム世界でお祈りの時間は特別なもの。 織り手にとっても、使い主にとっても、とっておきのもの。丹精込めて織られてものであることはいうまでもありません。すべての色が年月とともに馴染み、何色とも表現できない味わいある色に育っています。 淡いオレンジや赤から馴染んできたようなピンクも美しいのですが、紺とも、グレーとも、紫ともつかないユニークな色たちが ちりばめられているのが、何とも美しく、このキリムを価値あるものにしています。 天然の..

中央アナトリア、アダナのオールドキリムです。アダナは小アジアのちょうど中央の南端、地中海に面する地域で、トルコ第４の都市ムットやレイハンリ(レイハンル)などのキリムの産地ともそう遠くない地域にありますが、これらの産地はそれぞれに違ったキリムの個性を持っています。 アダナのオールドキリムの中でも比較的に若めのものに見られる、明るい色調。真っ赤に燃えるような色から、洗いをかけたデニム地のような素材感のある赤へと、赤色のグラデーションが美しいフィールド。それにオレンジ、白などがそうです。 ボーダーや白い模様の部分はコットンです。肥沃な平原に位置し、その恩恵を受けた綿の集散地でもあるアダナのキリム..

Adana Old Kilim アダナのオールドキリムです。 フィールドの赤みを帯びたブラウンを中心に、ナチュラルながらほんわりとしたあたたかな色合いや マロン系の色合いのコンビネーションがこのキリムの特徴であり魅力。 そこにわずかに挿されたブルーやピンク、朱色などが、全体を沈ませることなく生き生きと楽しげに見せています。 とても細やかに、丁寧に撚った糸で織られており、それが織り地表面の柔らかさや滑らかさに表れています。 また、織り手の丁寧さ、几帳面さは、きちっきちっと角の揃った模様の織りにも見て取ることができます。 ボーダーの白い地織りは、淡い色の床には広がりをみせ、濃い色の床にはきゅっと..

よくこなれた非常に柔らかな風合いや、よく撚られた細い糸による織り地の繊細な細やかさが、 画面からもよくわかる、アダナのオールドキリムです。 万華鏡か、クレイアートのようなフィールドの模様は、画一的でないファンタジックな美しさ。 なにか動きのある模様には、有機的な息づかいを感じます。 さらに美しいのはこの色使い。めくるめくグラデーションのごとき配色は見事で、始まりも終わりもないこの美しき世界に 吸い込まれて、見飽きることがありません。 紫〜ピンクの染めのグラデーションが、特に印象的で素晴らしい、不思議な華やかさのある明るい一枚。 ポイントに結び目のフリンジが装飾され、この２次元の世..

アダナのアンティークキリムです。品番　：K28140 サイズ：115cm x 230cm 産　地：トルコ 年　代：アンティーク 素　材：ウール x ウール..

オレンジ、イエロー、ベージュなどで統一された、オールドキリムです。 明るく温かな色合いですが、ひとつひとつの色はとても穏やかで落ち着いていて、室内での馴染みもとてもよいもの。 穏やかなぬくもりをもたらしてくれるでしょう。 やわらかで上質なウールによる細やかな織り、しなやかな表面中央から二枚接ぎになっていますが、上下、左右ともに デザインのバランスがよく、反転したように見える上下の色づかいも、長く飽きさせない、絶妙な配色です。 統一されたような色合いに、実は無数のニュアンスの異なる色が載っていて、ひとつのキリムを作っている。 とても魅力的な一枚です。品番　： K24054 サイ..

非常に美しく完成度の高い、アナトリアのオールドキリムです。 美しく装飾されたミフラーブのデザイン性も高く、上下、左右に均整の取れた対称な織り、細くしなやかな糸でしっかりと織られた織り地の表面はすっきりとなめらかです。 ウールの質も、織りの技術も申し分なく素晴らしいものですが、色合いの美しさがまた格別です。 ボーダーの濃いオレンジは深く、赤みがかった柿のようなよい色合いです。組み合わされた赤みのないシックな茶色も品のよい色。 フィールドの淡い草色とミフラーブの淡い赤色、その中のドラゴンモチーフの淡い青がまたよい雰囲気で、それぞれの染めむらの作るグラデーション同士が、複雑な凹凸の入..

とても凝ったデザインの、ミフラーブ模様のアナトリアのオールドキリムです。 織られた当初は、もっと色鮮やかでにぎやかな印象だったかもしれません。年月を経た今は紫や暗い赤、グレーなどを中心としたシックな色調に落ち着いていて、大人っぽい雰囲気です。 しかしデザインはとても賑やかで、また正確に整って整然としています。ミフラーブまで何重にも囲まれたとりどりの模様は、曼荼羅のような美しさがあります。 一番外側の、細い濃い茶色で取り囲まれたラインと、ミフラーブの周りの濃茶色の花模様のデザインが、淡めの色にメリハリをもたらします。 外側からミフラーブに達するまでの、大きさの違う、何重もの模様の枠は..

アナトリアの南、太陽に恵まれた美しい土地、アンタルヤのオールドキリムです。 星とドラゴンのモチーフを細やかに織り分けた大作は、撚りの強い糸でしっかりと丁寧に織られ、よく締まっています。 濃紺に赤、オレンジ、えんじ、草色がかったベージュなど、一見芳醇な秋の色がふんだんに使われた、重厚感のある 色使いですが、何とも言えない太陽のような明るさと、エネルギッシュな強さがあるのは、現在ではトルコのリビエラとも 呼ばれるこの土地の、陽の光と風土がリアルに反映されたものなのでしょう。 このようにキリムには、織り手の思いや意図とともに、その生活が営まれる背景のすべても織り込まれてゆき、 私たちは詳..

黒に近い濃い茶色の平織の前面に、ジジム織りで広がってゆくようなメダリオンが形作られています。 その一つ一つもまたメダリオンとなっており、その中には等しく星の文様が織り込まれています。宇宙感も感じられるキリムです。 規則正しく整ったこの文様ひとつひとつが、手で仕上げられてきたのです。大変な作業です。改めてキリムの世界の奥深さと、織り手の女性たちの技能に感嘆します。 シックで重厚感のある色使いがこのデザインと合わさって、大人っぽい印象です。気の遠くなるような細やかな作業。 デザイン性の高い、すばらしい手仕事の作です。 品番　： K23416 サイズ： 141cm x 189cm..

錦のように美しい、アンティークのジジムです。 うすく、織り目が細かく、しなやかな平織地に斜め格子のデザイン、そのひとつひとつに星のモチーフが織り込まれ、その織り分けられた色によって、全体のメダリオンのような模様をなしています。 この広さの中に、細かい格子が正確に、同じ大きさで入っており、織りの正確さや技術の高さがうかがわれます。細い線で描かれた細かい模様は繊細なレースのような美しさです。 褪せて、淡さが増した茜色の地織りに、馴染み合うような淡いグリーンやピンク、ブルーの星模様と、浮き上がるような紺色やオレンジ、白の星模様、それに濃茶の格子の線が、完全に規則的にでない使われ方をしていること..

東部アナトリアのガジアンテプのオールドのチュワルです。トルコ南東部にあり、シリア国境に近い町です。 アンテプというのは、1920年代以降より、ガジアンテプと呼ばれる以前の、オットマン朝時代の呼び方です。 チュワルはもともと遊牧民が移動の際、穀物や家財などを入れて運ぶ袋だった物です。その家にとって持ちうる財産を示す象徴でもあったため、ジジムなどの美しい装飾がほどこされているものや、鮮やかな色彩のものも多く見られます。 こちらもチュワルに特有の、鮮やかな平織りの横縞と、装飾のジジム織りとの組み合わせから成っています。 白のコントラストをポイントに、濃いオレンジと黄色、しっかりとした土のよう..

アンティークの礼拝用キリムです。 額縁のようなボーダーの黒によって引き立てられた、多彩な色たちには、色同士のコントラストというよりは、何となく虹のような色彩のグラデーションを感じさせる美しさがあります。 細く、よく撚られた糸で緻密に、丁寧に織られた織り地は美しく、しなやかです。基本的に礼拝用のキリムは、彼らにとって特別なもの。地域によってその質は異なりますが、その時そこで使い得る、「とっておき」の良い色の良い糸を使っているようです。特にアンティークではそれがよくわかります。質の良さ、色の良さ、織りの良さが揃っているのです。 鮮やかさを残しながら、染められた当時とは確実に違うこなれた「古み..

カラフルなパッチワークのようなデザインが楽しげな印象のアンティークキリムです。 様々な色が組み合わされて模様を織りなしています。色彩はカラフルですが、一つ一つの色がこっくりと落ち着いていることと、色の合わせ方が非常に上品であることから、とても感じよく仕上がっています。地織りの色が赤のフィールド、濃茶のボーダー、白のボーダー、分量のバランス、その中に描かれた模様のバランスもとてもよく、全体の調和がとれたキリムです。 よく撚られた細い糸で緻密に織られた表面は、時間とともにこなれてしなやかさを増しています。色合いのコンディションはとてもよく、アンティークのこなれ感は持ちながらも、生き生きとした色..

アナトリア北東部、バイブルトのアンティークキリムです。 とても美しいミフラーブ文様の礼拝用マットです。やや太めの糸で織られていて、織り目はそろって美しく、色合いの感じも手伝って、織り地にはふんわりとやわらかな印象があります。 その色合いは、黄色やアプリコットを中心とした、春のように穏やかで優しい色調です。赤みのない、マイルドなモカブラウンの縁どりもやさしく、またところどころに巧みに配されたパープルが美しく効いていて、全体を夢のような世界にみちびきます。 太いボーダーの、縦に流れるようなデザインには小川のせせらぎのようなゆるやかな動きを感じることができます。その内側の花柄のボーダーと..