クリーニング工程

1. 診断と見積もり

お預かりした絨毯をクリーニングする前に、まずはこちらで再度サイズを測定し、汚れの状態等を総合的に評価します。構造的な傷や乾燥腐敗があるかなどを念入りに診断します。特に絨毯両端の房(フリンジ)や両側面の縁かがりを丁寧にチェックし、補修(メンテナンス)が必要かどうか診断します。このメンテナンスは絨毯の基布構造やパイルのほつれを防止するためにとても重要です。小範囲の損傷箇所を発見したら、それが広がらないようにできるだけ早く補修することを強くお勧めします。
最後に、敷物の材質(シルク・羊毛・混紡等)、繊維の強度や色の濃さを確認し、最適な洗剤、洗浄方法を最終決定します。
お客様に、診断内容とその見積もりをお伝えし、金額にご納得いただいた上でクリーニングを始めます。


2. ホコリ等の叩き出し

tozdolabi絨毯は吸引式掃除機による定期的な掃除を行っても、細かなちりやほこりが溜まります。ウールはその性質上、細菌、湿気、ほこりを空気中から除去する自然のフィルターでもありますが、大量のほこり等が蓄積することによってその機能は大幅に低下します。長年のご使用で蓄積したほこりの層が、絨毯の深部に固着するので、普通の掃除機では取り除くことはできません。ホコリやゴミの層は一つ一つの粒が非常に鋭く、人やペットの健康に悪いだけでなく、絨毯の基盤(素材が綿や羊毛の横糸、経糸、結び目)を傷めてしまいます。
キリムハウス・クリーニングでは水洗いをする前に、絨毯からホコリやゴミを完全に取り除くため、専用の「ドラム式ほこり取り機」を使います。ラグの性質に合った運転時間と速度を設定し、繊維を傷つけないようにしながら、深部まで入り込んだホコリを完全に除きます。汚れの度合いにもよりますが、絨毯に閉じ込められた湿気やホコリは総重量の3分の1になるケースも稀ではありません。ドラム式ほこり取り機は、絨毯からホコリを取り除くだけでなく、濡れたときに網目が広がるのを防ぎます。特にアンティークラグや基布が弱いと思われる絨毯の場合、安全かつ効果的なクリーニングができます。


3. シミ抜き

クリーニングに出される絨毯には、特別な処理を要する汚れがついていることが少なくありません。シミの性質に応じて専用の化学洗剤を用い注意深くシミ抜きを行います。どんなものでも完全にシミ抜きができるとは保証できませんが、大概のものはシミを抜くことができます。例えば、赤ワイン、ペットの尿、紅茶、コーヒーなどのシミの特性はすべて共通しているので、基本的には取り除くことが可能です。シミ抜きは時間との勝負です。できるだけ早く処理することをお勧めします。シミの種類を知ることも適切な処理をする上で非常に重要なポイントです。間違った方法でシミ抜きを行うと、汚れを取り除くのがより困難または不可能になります。

4. 水洗い(丸洗い)

絨毯用の天然石鹸や専用洗剤による水洗い(丸洗い)を行います。まずは洗剤を敷物全体に振りかけます。電動ブラシによるブラッシングによって繊維の隅々まで洗浄します。特にオリエンタルラグのような高級手織り絨毯には、専用の洗浄剤を使用しますので、ウールやシルク独特の光沢を保ちながら毛足(パイル)の奥深くまで染みついている汚れやホコリを攪拌し、洗浄液中に溶かしていきます。電動ブラシは繊維を傷つけないよう低速度で回転させますが、オールドやアンティークラグのような細心の注意が必要な絨毯の場合は、手でブラッシングして洗浄します。使用する特別な洗剤は結晶状であるため、洗浄中に絨毯深部まで入っていきます。深部の汚れやほこりを吸い取った残留洗剤の結晶粒は、すすぎ作業の中で完全に取り除かれます。色落ちが心配な絨毯に関しては、洗剤の濃度を調整して脱色を防ぎます。


5. 房(フリンジ)の漂白

房(フリンジ)は白いため、汚れが多くつき目立ちます。手作業によるブラッシングで念入りに清掃します。また房専用の洗剤で元の白さを可能な限り取り戻します。

6. すすぎ・中和・脱水(水切り)

隅々まで水洗いされた絨毯から洗剤や薬剤を完全に除去するために、大量の中和水を利用し、すすぎの作業を行います。高圧放水機を使い、PH中和すすぎ剤を絨毯深部まで行き渡らせ、アルカリ性になっている洗浄液を中和しながらすすぎ作業を進め、繊維を本来のPHバランスに戻します。脱水作業の第一段階として、イランやトルコで使われているクワのような伝統的な水きり器具を使い、最後には絨毯専用の遠心脱水機によって完全な水切りを行います。


7. 乾燥

脱水工程が完了したら、絨毯のパイルを専用ブラシで同じ方向に整えます。ウールやシルクの素材にダメージを与えないよう、基本的には自然乾燥をすることが良いのですが、乾燥室の場合でも、できるだけ自然乾燥に近い形で送風機によって乾燥させます。この乾燥工程は、カーペットの大きさと厚さによって数日かかることもあります。


8. 仕上がりチェック・最終検品・包装

毛並みを整え、ハサミやシャーリング(剃刀のような専用器具)によって毛足の長さを均等にします。、クリーニング中にどうしても取れなかった布クズやペットの毛等を手作業で取り除きます。最後に、絨毯を丁寧に巻いてビニール袋で包装します。