やってはいけないこと

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やってはいけないこと

絨毯の保護のため、下記のような清掃方法は取らないで下さい。 この方法は駄目だったのかと驚かれる読者の方もいらっしゃるかもしれません。これらの方法によって駄目になった絨毯が数多くあることを心に留めておいてください。


洗濯機

洗濯機は衣服を洗うものです。かけがえのない芸術品に使うべきではありません。
洗剤と温水と振動によってウールがカチカチに固まり、艶はなくなり、色がにじみ、最悪の場合、びりびりに引き裂かれることがあります。


ドライクリーニング

クリーニング店が絨毯洗いの専門店です、と謳っていることがよくあります。ただし、これは機械織りの絨毯だけであって、手織りの芸術品を指しているわけではありません。ドライクリーニングで使う薬剤にはウールを駄目にし、縦糸と横糸にダメージを与える物もあります。こういったダメージは元通りに出来ず、絨毯職人や修復家でも元に戻せません。また時としてこのようなダメージは何ヶ月も露見することがなく、クリーニング終了時に確認して置かないと補償も受けられません。


水漬け

絨毯を完全に水に漬けたり、放水で洗い流すことは時として有効です。ただ現代ものの絨毯には色にじみを起こすものが多いのです。縦糸と横糸は、結び目を作る一本の繊維に完璧に囲われているので、直接汚れがつきにくく、水に晒す必要はありません。完全に乾かさないと、水に浸けることによって土台が壊れることがあります。
本や映画のなかでも描かれるように、ペルシャ人が川で絨毯を水に浸けて洗っているのを見て、これが間違いのない方法だと勘違いする人も多いのです。アンティークや絹の絨毯ではなく、最近作られたものだけがこの方法でも良いのです。この浸け洗いは、毛足を揃え、織機から取り外した後で、毛足の中に残った糸くずを取り除くために行われます。冷たい水で、手短に行われ、すぐに強い日差しの中で完全に乾かされます。


回転式電動掃除機

こういった機械はレンタルで良くあります。これは機械織りの絨毯に特化されており、上質の手織り絨毯には向きません。強く回転する目の粗いブラシが円運動をすると絨毯の毛足の繊維を捻って駄目にします。